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法的手段に乗っ取り、時効援用の意思表示を伝える内容証明を送りました。

亡き父の借金|39歳・女性の場合

封筒

Eさんは1年前に亡くなったお父様の借金のことで相談に来られました。

先日お父様の同級生を名乗る男性から「お父様に貸していた80万円を返してほしい」という内容の手紙が送られてきました。
手紙には手書きの借用書のコピーが同封されており、お父様の筆跡に似たサイン、それに三文判が押してありました。

お父様の相続人は、Eさんとお母様の二人。
お父様が残したものは自宅の不動産と預貯金・有価証券のみだと把握していて、すでに遺産分割協議も終えた後の出来事でした。

すぐに返済しようとするお母様を止めて、Eさんは事務所に相談に来られたのでした。
Eさんは、本当にお父様が借金をしたのか疑っておられました。

真面目で几帳面だった父が家族に内緒で借金をするとは思えない。
裕福ではないが父名義の預貯金もあり、お金には困っていなかった。
借金をする理由が見当たらないと言うのです。

男性に騙されているのかもしれない、というのがEさんの率直な意見でした。
Eさんの考えももっともで、振り込め詐欺を疑いたくなるような手紙です。

すぐに行動を起こすよりもしばらく様子を見て再び連絡があるかどうか待ってみてはどうかと提案しましたが、Eさんは家を出られていて自宅にいるのはお母様のお一人だけ。自分の知らないところで男性から連絡があるかもしれないと思うと心配だ、とのことでした。

それでは、時効を援用する内容証明郵便を出してはどうかと提案しました。

当事者であるお父様が亡くなられているので借金の真偽を確かめるのは難しいのですが、時効を援用して借金を返さずにすむ方法があるのです。

借用書の日付が13年前であることから、お父様の生前に時効が成立しています。
時効にかかった借金を相続したEさんとお母様は「時効を援用する権利」も一緒に相続しています。

つまり亡きお父様に代わって、Eさんとお母様が時効援用の意思表示を行うことができるのです。

また内容証明郵便という形式の整った通知を出すことで、専門家が依頼を受けて動いていることを男性に知らせることができます
詐欺であった場合にはすぐに諦めるでしょう。

後日お母様も交えて相談した結果、やはり放置しておくのは落ち着かないので法的手段に乗っ取って時効援用をしたいという結論に達しました。

Eさんお母様の連名で時効援用の意思表示を伝える内容証明を男性に送りました。
内容証明は無事男性に届き、その後男性からの連絡はありませんでした。

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